生後6ヶ月がナイーブなんです。


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こんばんは。

小児はりのきゅうあん鍼灸治療院。院長:四元です。

今日は感染症対策にも小児はりが有効ですというお話をします。

でもその前に、以前のブログにも書いた小児の免疫について補足とおさらいをしたいと思います。

胎児はお母さんのおなかの中で無菌状態で過ごしています。

免疫には細胞性免疫と液性免疫があると以前お話しました。

そこでは、初乳を代表とする母乳には液性免疫のIgAがたくさん含まれていると紹介しました。

実は、胎盤を通過できる免疫系は液性免疫主に5種類(細かく分けるとまだあります)のうち免疫グロブリンIgGだけなんです。

つまり、産まれてきてすぐの赤ちゃんが持っている免疫はIgGだけですので、初乳には母親が外敵に触れて体内で産生したIgAが多く含まれていて子を守っているわけです。

さて、胎児期から持っている免疫、IgGはお母さん由来。生後、赤ちゃんは外敵と触れ合った結果、自身で作った免疫IgGを増やしていく過程で、一時的に母親由来のIgGがガクッと減ってしまい全体として免疫力が弱くなる時期があります。

それがだいたい生後6ヶ月頃の赤ちゃんです。

現在の日本は、両親が共働きのご家庭が当たり前。早いうちから保育園にこどもを預けることも多くなってきました。

6ヶ月頃の赤ちゃんは免疫学的には弱い時期と言っていいです。そこから、少しずつ自分で免疫力を養って液性免疫に限っては4歳から5歳くらいまでにかなり完成していきます。

少し細かくなりますが、免疫グロブリンIgGにはサブクラスといって更に4種に分類されていますが、生後6ヶ月頃に減少したIgGの中の種類(サブクラス)によっても、血液中で増えてくるスピードが異なります。

4種のうち、肺炎球菌やインフルエンザ菌(ウイルスじゃない)などの抗原に良く働くIgG2は、ナイーブな時期から回復するのが他のものより遅いため、この頃つまり生後6ヶ月から2歳くらいまでは、これらの菌に感染しやすいし感染を受けると発症して重症化しやすいと言われています。

また、就学前まではウイルス感染症も多く、特に早期から保育園や幼稚園の様な免疫学的に初心な同年代がたくさんいる場所に身を置いていると、それらの感染症に弱いもの同士が一緒にいるわけですから、感染症のやりとりをしてしまうわけです。それは子育てを経験された働くお母さんなら、一度や二度のことでは無かったはずです。

で、こんなデータもあります。

4月に入園したとしたら半年後に約90%の小児から肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(Hib)のどちらも鼻咽頭に保菌している。どちらも常在菌化して、宿主であるお子さんの抵抗力が落ちた時などに細菌が侵襲を起こし、髄膜炎や肺炎や中耳炎などを発症してしまうことがあります。

現代日本の子育て家庭をとりまく環境では、こういった免疫学的な構図ができていることを頭の片隅に置いていただけると、お子さんをこうした感染症の重症化から守るには、お子さんの抵抗力を落とさないように常に気を付ける必要がありますね。

つまり、かぜ(ウイルス感染症)の予防で抵抗力を持って行かれないようにする(手洗いうがい)。

とか、質の良い食事・睡眠・排泄(腸内環境と免疫について)を維持しておく。

など、普段の生活でご両親ができることだらけです。

でも、こどもというのは良い方にも悪い方にも体調が変化しやすく、季節や環境変化による身体的・精神的ストレスに暴露されると、ご飯を食べれなかったり、偏食になったり、寝つきが悪くなったり、夜泣きしたり、便秘や下痢になったり身体症状として現れてきます。大人とはこういった点で、生命体として不安定なのがこどもの特徴のひとつです。

そんな時は、こどもの健康をまもる「小児はり」です!!

きゅうあんの小児はりは、様々な症状に対応しています。

小児はりで、強い体をつくるお手伝い。体調を整えて、よく食べ、よく遊び、よく寝る子。

大切なお子さんの健康維持のため、月に1度は小児はりいかがですか?

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