ヘルスリテラシー


By

昨日の新聞で、日本プライマリ・ケア連合学会理事長の記述にあった「ヘルスリテラシー」
直訳すれば『健康能力』ですが、ここでは健康づくりに関する知識や知識の活用のことを「ヘルスリテラシー」というのだそうです。

例えばこんなケース。
寒くなると肩こりが気になりだし、酷い時は頭も痛くなってくる。
家事や仕事に支障を来すまでになり、何か良い手は無いかとスマートフォンからインターネットの検索機能で「肩こり 頭痛」と入力する。
すると、画面上には大量の情報が現れます。ここからあなたは、≪あんなに辛かった肩こりが、1週間で嘘のように軽くなりました≫という
言葉に誘われ、そのページを開きます。すると何のことはない、小型の家庭用マッサージ器具だったりします。
あなたはこの商品を説明するページを読んで、購入するかどうかを判断するわけです。この一連の行動と判断がヘルスリテラシーです。

健康づくりのための情報源は様々です。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、知人などなど。
テレビやラジオ、雑誌などでは有名なタレントが紹介しているものも見られますね。
インターネットの情報は、私のホームページも含めてのことですが、情報発信者側の責任性を客観的に判断する手段がありません。

皆さん、個人差はあっても自分の健康については興味があるはずです。
出来れば病気になりたくありませんから、気になる症状が悪化する前に早めに対処したいと思うのは当たり前。
しかし、とても残念なことですが、今の病院では予防医学に対する明確な体制を整えて対応しているとは言えません。
それは、医療費の財源的な問題として未病や予防医学に対する診療報酬が殆ど担保されていないからでしょう。

病院でだめなら、個々人のヘルスリテラシーによって健康づくりがなされていく市場が存在しているのは当然のことです。

我々鍼灸師が行う施術も、その中にあります。
自身が行う施術は、どんな考えのもと、どのような手法で行い、その結果どんな成果があるのかを、客観的な評価方法で示すことが選ぶ側
の健全なヘルスリテラシーに直結する。
が、鍼灸の世界はまだまだ主観的・個人的な結果を公開するまでに留まっています。
このホームページでも患者様の感想を頂いていますが、これはあくまでのその患者様の主観で書かれたものです。
感想ですから、ここではあくまでも当院の施術を受けて頂いて感じたところを率直に表現して頂いています。

鍼灸の治療対象となる疾患は多岐にわたり、‟痛み”を対象としたものから耳鳴り難聴、アレルギー、自律神経失調、不妊、精神疾患など様々
です。客観的評価が難しいものも非常に多く扱います。
特に痛みというものは、感情を伴います。感情をともなうものに客観性は求められません。
聞こえなかったものが聞こえるようになる、見えなかったものが見えるようになる、皮膚炎があったが無くなる、眠れなかったが眠れる、妊娠
した、肩が上がらなかったがこれくらい上がる、今後はこういった成果に対して、自分が何を目的にどんなことを行ったのか、一般の皆様にも
出来るだけ解りやすい形でお届けしたいと思っています。

なぜこんな事をテーマにするのか、
それは、

もっと鍼灸を身近に。

この思いひとつでこれからも私ができる限りの情報発信と、ご利用頂いた患者様が最大限回復するための鍼灸技術の研磨を続けていきます。
鍼灸は日本が誇る伝統医術です。
ひとつひとつの鍼の精度を高めるために、技術を研磨する。 余分なモノを排除していく。

4月に呼吸と姿勢について福岡でセミナーを開催していただく、内田真弘先生もこの研磨について触れておられます。
ここでおっしゃられる事は、鍼灸技術にそのまま当てはまります。

邁進したいと思います!

IMGP9700_NEW_NEW