おしっこ調節ホルモンの日内リズムと膀胱の機能


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前回は、バゾプレッシンというホルモンについて書きました。→おしっこ調節ホルモン
バゾプレッシンは、おしっこ作らないホルモンです。
そして、このバゾプレッシンはお昼は少なく、夜に多く分泌されることで、お昼のおしっこが増え、夜のおしっこが減ります。このように、おしっこを作る・作らないは一日のうちでリズムがあるわけです。
このおしっこ調節ホルモンの日内リズムがまだ未熟だったり乱れていることが、おねしょのメカニズムのひとつだと考えられてます。
そして、このリズムは自律神経との関わりが深く、生活習慣に影響されると説明しましたね。

当院におねしょの治療で来院する子供達の中で、ときどきお昼にも”おちびり”がみられる子がいます。
こんなとき、私は頭の中で「ホルモンの調節のほかにも問題がありそうだな。」と考えます。

もう一つ、バゾプレッシン以外にも考えなければならないものが・・・。

それは、膀胱の蓄尿機能です。

蓄尿とは、膀胱におしっこを貯めておける機能のこと。
お昼にもおしっこが我慢できずにおちびりしてしまう子の中には、バゾプレッシン分泌の日内リズムは正常でも、おしっこを貯めておく膀胱に問題があり、おしっこが出やすくなっている場合があります。
または、バゾプレッシン分泌も膀胱の蓄尿機能もうまくいっていない子もいます。

腎臓で作られた尿は、膀胱に貯めておく。この機能のおかげで、人間はまともな生活が送れるのです。
腎と膀胱は、東洋医学では陰陽表裏の関係にあり、非常に密接なやりとりをしていると考えられています。

次回は、このあたりを小児はりではどのように治療するのかを書きたいと思います!