アトピー性皮膚炎 10歳・女

症状

昨秋から皮膚炎の症状が酷くなった。
首、お腹まわりの痒みが強く、特にお風呂上りが痒い。
寝ている間に搔いてしまう。
保湿剤やステロイド薬を使用するが症状が改善しない為来院。

治療経過及び結果

来院時の症状

初診時、お腹全体と首の後ろに皮膚炎がみられた。
膝と肘の裏も炎症があり搔いている。
頭皮も無意識に搔いている様子。
皮膚は乾燥。

その他の症状

元々便秘傾向で2日に1回排便があれば良い方。

経過

痒みが落ち着くまで週2回のペースで施術。
初診日より2週間後の第5診目で痒みが減り、寝ている間に搔いていることが減った。
第7診目で強い痒みから全体的にやんわり痒いという表現に変わった。
この頃には2日に1回の排便が安定してきた。
痒みが落ち着いてきた為、施術ペースを5日に1回へ。
第9、10診目で首とお腹の炎症が減退し強い痒みもなくなっていた。
第13診目では首、お腹の炎症が消失し痒みもなし。
現在は週に1回のペースで痒みと炎症のコントロールをしている。

考察

はじめに、小児はりは刺さないはりで皮膚をなでる気持ちの良い鍼です。
他とは異なる反応が出ている皮膚を探し、適切な刺激を与えます。

今回のケースでは、便秘と睡眠不足に着目しました。
本人の自覚はないものの、睡眠中に搔いていることやお腹の音から内臓の働きが落ちており、睡眠の質の改善が必要だと考えました。
頭部や頚部に反応が多く睡眠が足りていない子に多い反応を取り除く施術を行いました。
手三里、肩髃というツボへ線香灸(線香を皮膚へ近づける温かくて気持ちの良い刺激です)
痒みを抑え、肌のターンオーバーを正常にすることで綺麗な強い肌へ改善しました。
加えて、肌を作る原材料であるタンパク質を多く摂るようにお伝えしました。