東洋医学的「眠り」


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今から書く事くことは、これが全てではありません。

睡眠のお悩みをお持ちの方、昼間の眠気が気になる方。

東洋医学では気ありきで治療して行きます。
気とは生命を営むエネルギーとでも言いましょうか。

気というのは、その気がある場所よって名前が付けられており、それらの役割も異なります。
そのうち、衛気(えき)と営気(えいき)という気の分布による分類があります。

衛気(えき)は体の外側、営気(えいき)が体の内側に存在し、身体を守り滋養しています。

そもそも人の気というのは、飲食物から化成して生じたものです。
食物を摂り、それが胃で消化されたものが気の本となります。その後、それらは肺に行ってそこから体内に栄養物として供給されます。

ここから、その気は脈中(つまり体内)を循る営気と、脈外(つまり体表)を循る衛気に分かれます。
陰陽で営気は陰気、衛気は陽気であり、それぞれが全身を昼と夜に渡って循っています。
昼間は陽気が充実しているから眠くはありません。また、夜は陽気は規則正しく内部に入って陽経が乱れないので、熟睡できます。
昼間に眠かったり、夜眠れないのは上記の生理作用がうまく働かないからです。
夜は衛気は体内に入って、昼は体外へ。
この作用が上手くいかないと、不眠や昼間の眠気などの症状に繋がる可能性があります。
衛気の出入が上手くいかない原因として、五臓が絡むと肺・心・肝などの不調も考えられます。
今回はそれについて詳しく書きませんが、例えば
不眠の症状+咳鼻水 ・・・ 肺を疑います。
不眠の症状+物忘れ ・・・ 心を疑います。
不眠の症状+イライラ ・・・ 肝を疑います。
この様に、五臓の不調が関係している場合もあります。

あるいは、高齢者などでよくある不眠症は、
もともとの気の成分である飲食物がしっかりとれているか、それらが栄養となり全身に分布されているか、などの根本的な問題も絡んできます。

今回は少し専門的な話になりましたが、
上記のような可能性を調べ、反応を確認しながら治療して行くのが鍼灸治療です。
不眠などでお困りの方は、是非お近くの鍼灸院へご相談下さい。

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