標本同治(ひょうほんどうち)


By

おはようございます。

すぐに良くなる病と
患者さんにも私にも、辛抱の時間が必要な病があります。

どんな病気も怪我も一回で完治させます!!!て言えたら

まぁ、それはそうと。

東洋医学には標治と本治という概念があります。

標とは、その方に今現れている症状の事です。
本とは、その症状が出ている原因の事です。

例えば、先日の患者さんの例です。
十数年前から、背中の神経痛。
一日中ヒリヒリ痛み、朝食後は特に酷くなり動けない。
もちろん、あらゆる医療機関で検査を受けましたが原因が分からずだったようです。
他の患者さんの紹介で私の治療院へ来てくださいました。

背中がヒリヒリ痛むからには、それを引き起こしている原因があります。
だから、根本的に解決するにはこの原因(病気の原因で病因といいます)を見つけて、そして治療して回復しなければなりません。
ここまで達成して再発が無ければ、鍼治療で完治したと言えるでしょう。
ヒリヒリ痛む症状は初診の治療中にその場で消えました。ご本人もとっても喜んでくれました。
十数年間、一時も止む事無く苦しんだ症状から、やっと解放されたのですから当たり前です。

でも、、、、
数日後に再発。
一進一退しながら、現在も治療中です。
この方は、何と言いますか。。。 体の芯に冷えがあるのです。
それが取れてくると、おそらく再発しないと思います。
私はそう判断して、治療しています。
治療に来てくれれば、その場でヒリヒリを無くすことが出来ます。
しかし、その症状がもう出ないようになるまでには、もう少し治療を続けて、この方の病因をやっつけてしまわなければならないのです。

この方は、私の説明を良く理解してくれています。
そうでない方もいます。
私も解りやすい説明と、治療でそれを理解して頂く努力がもっともっと必要です
薬を使ったり、手術をする訳では無いので、本治にはどうしても時間が必要になる事があります。

標治は体調を治す事。
本治は体質を改善する事。
であると、私は理解しています。

基本的に両方同時に行う事が多いです。
その行為を、『標本同治』と言います。

病の本質を無視して、表に現れている症状だけを取り除く(隠す)治療をしていると、いつか手が付けられなくなります。
めまい、高血圧、頭痛、ひきつけ こんな症状をお持ちの方は、これからの時期(春先)には注意が必要かも知れません。
皆さんも、お近くのはりきゅう院で、本治を受けて下さいね!!

 

22a519b6-s