不妊症 30代女性
症状
不妊症。
治療経過及び結果
来院時の症状月経痛あり
左卵巣チョコレート嚢胞の診断あり
9ヶ月ほど前から、婦人科クリニックに通院しタイミング療法6回、AIH2回を実施するも妊娠にいたらなかった。
プラノバール、セキソビット、当帰芍薬散を服薬
月経痛が酷いときには、頓服薬としてロキソニンを使用する。
子宮卵管造影 異常なし
配偶者 年齢 40代
PMS症状として、月経前の情緒不安定の自覚あり(イライラしやすい)
経過初診時より、1週間から10日の間に1回の間隔ではり治療を開始した。
初診時の所見は、手足の冷えと、下腿の浮腫、便秘、腰痛や肩甲骨周りの痛みなど症状が見られた。
忙しくお仕事をされているため、基本的に疲労を感じている。
特に妊娠にいたっていない原因として判断したのは、
冷えと便秘の症状を引き起こしている問題と共通している、
腎陽虚証である。
腎陽虚とは、現代の言葉で説明すると以下のような状態である。
①腰からお尻、両脚にかけての冷えが気になる。
②(女性の場合)おりものが水様性になる。
③病気の長患いで、体が温まらない。
④子宮や卵巣機能の低下による不妊症。
⑤冷えで酷くなる便秘。一度便が出ると軟便が続く。
その他
この症例では、③以外の状態が確認されたため、腎陽虚の状態を改善する為の治療を行った。
第1診の治療後より、手足が温まったことを実感。
第5診頃より、外にいても体の芯から寒いと感じることが無くなった。
1週間排便が無くても腹部の苦しさを感じない、難聴気味の症状があったものの、
それらの症状も第15診頃には解消される。
この頃より、睡眠中に目が覚める症状が出始めるが、
妊娠が発覚する。
考察
クリニックで診断されていた傷病名だけにとらわれることなく、
施術者もご本人も、まずは今の体の状態を整理しなおして、
妊娠出産に向けて、どの部分をどこまで改善することを目標とするのか。
そのことを明確にして治療を開始できたことが、妊娠にいたった大きな要因。
現在も、良好な妊娠期間を経過しております。