免疫とゆとり


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先日、とある患者さんといつもの様に世間話をしていた時の一コマ。「外出先でくしゃみをした人がいて、その時周囲の人がとても嫌な顔でその人をにらみつけていた。」

そうした人たちの心情は?
『汚ねぇな!』『お前の持ってる悪い菌(ウイルス)が移ったらどうしてくれんだよ!!』

そんな感じでしょうか?

なんだか、悲しい光景。
昔は(本来は)、「大丈夫ですか?どこかお辛いところがあるんですか?」
と思ったり声をかけたりしたでしょうね。

極端すぎる程に、個人を尊重する現代。
社会性は?
”人間”は人の間で生きてゆく生命体。

排他的で利己主義。

自分は、自分の考えは、自分の立場は、自分・自分・自分・自分。。。。。
いつまでたっても、小学校低学年。

自分が自分が。
自分勝手で、人のことなんて知ぃーーーーらない!

菌もウイルスも、そこら中に数多に存在しているのに。
それさえも、自分という神聖な存在には触れてくれるなと。

そんなに無菌状態が好きなら、胎児に戻れ。

むしろ、その前に戻れ。
利己の無い、無我に戻りなさい。

人は産まれた途端に菌に暴露され、赤ん坊の腸内は、一時悪玉菌に支配される。
大腸菌や土壌菌だらけ。

それが母親の愛情に育まれ、母乳なら99.7%、人工乳でも90%をビフィズス菌などの善玉菌が占める様になります。

この様な過程が赤ん坊の免疫力を養ってくれるのです。
こうやって、人は人の中で生きて行く免疫を獲得し始めるのです。

貴方の持ってる菌に触れたくない、きれい(?)な滅菌された環境で、消毒されまくった食器で、添加物で除菌された食物を摂取させる!!!!
お母さん・・・・。

アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患を予防するには、乳幼児期にちょい悪菌に触れる事です。
赤ん坊は、なんでも口に入れて、ぺろぺろ舐めて、口で確認しています。

この動作は、免疫獲得の大切な過程なのです。

お願いだから、赤ん坊の玩具を除菌するなど、愚かなことはやめてくださいね!

この世に産まれて、人の輪の中、地球で暮らす生命の仲間入り。

他者がいるから免疫が出来る。
他者がいるから強くなれる。
他者に感謝。

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