アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎のイメージ画像

皮膚上に現れる症状は、発疹や痒み、発赤や乾燥肌、シミやソバカスなど様々です。
ここでは当院が力を入れているアトピー性皮膚炎について記載します。

アトピー性皮膚炎の主症状は、痒みを伴う湿疹です。
湿疹は、成長の時期によって湿潤性(じくじく)・乾燥性(カサカサ)へと変化していく傾向がある。

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を合併することもある。
またアトピー性皮膚炎の皮膚は防御機能が低下しているため、様々な細菌・ウイルス感染症を合併しやすくなります。

皮膚の痒みはもちろんのこと、皮膚の紅斑や苔癬化により外見にも変化が生じるため、肉体的・精神的苦痛を強いられる場合があります。

hansei_koukai_woman

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は不明です 😥 。
現在までに多くの研究がされており、様々な可能性や関連性を指摘されていますが発症の機序は明らかにされておりません。

アトピー性皮膚炎発症患者には血清IgE値の上昇などアレルギー反応が起きていることが殆どで、何らかの免疫異常が指摘されています。
ただし、IgE抗体だけが原因ではない事も解っています。

私が行う鍼灸治療の場合、現代医学的なアプローチに留まらず東洋医学的に一人一人の症状を分析します。
鍼灸治療の特徴は、診断即治療です。当院は発症機序の解明だけにとらわれることなく、診断で得られた情報から直ちに治療を開始できるのが特徴です。
その中で見つかる原因は千差万別ですが、傾向として見られるものをここで紹介します。

◎脾胃虚弱(ひいきょじゃく)体質によるもの
食欲不振・食物を消化吸収する機能失調が見られ、皮膚を栄養することができない。
◎肝鬱気滞(かんうつきたい)症状によるもの
仕事や家庭の環境、その他の理由で精神的ストレスや肉体的疲労により体内の血液循環に障害、末梢循環不良となる。

皮膚は外界と自身を境界する大切な器官です。
それ以外にも、免疫機能や精神情緒とも関連性が報告されるほど、機能は多岐に渡ります。
多くの仕事をしながら、その形態を保持し、正常な代謝を維持するには順調な栄養供給は必須です。
脾胃虚弱・循環不良が改善されないと、皮膚は正常な機能を失い皮膚炎の原因になります。

◎肺気虚(はいききょ)体質によるもの
喘息・鼻炎などの呼吸器症状が慢性的に発生し、そちらに体のエネルギーが消耗され皮膚を栄養出来ない。
◎気秘(きひ)・冷秘(れいひ)によるもの
便秘のこと。便秘そのものにも様々な原因があるが、アトピー性皮膚炎との関連の深い気秘・冷秘を良く診る。
 気秘は情緒的な抑欝もしくは運動不足で腸の蠕動が活発でないもの。冷秘は虚弱体質で下腹部を温める機能が低下した結果、排便困難となるもの。

東洋医学では肺と腸は表裏一体と考えられています。鼻を使った正常な呼吸が出来ないものは、排便・排尿にも支障を来します。
また、腸管内には集合リンパ節が点在し、こちらで免疫機能の調整をしている。
慢性的な便秘は、全身の免疫機能を失調させる。アレルギー疾患は免疫異常が関わっていることから、アトピー性皮膚炎との関わりが深いことが分かります。

その他にも、原因には個人差があります。
重症度により、回復までの時間が変わります。
しかし、当院では施術したその日から違いを感じて頂ける様、あなたに最も適した治療を行っています。

きゅうあんの施術

アトピー性皮膚炎が発症していると、防御機能低下により体に悪さをする細菌やウイルスが感染し悪化しやすくなります。
その上、免疫異常のため、様々なアレルゲンにも過剰なほどの炎症反応を示します。
この様な状態が改善せず皮膚炎が長期化すればするほど、表皮の破壊が続いてしまい回復が遅れてしまいます。 😥

一口にアトピー性皮膚炎と言っても、症状の程度(重症度)も人それぞれ。
強い症状がなかなか治まらない方は、問題点を整理しながら的確な施術を行うことが最も重要と考えます。
そのため、当院では症状の程度により段階を追って治療を進めてまいります。

①今起きているひどい炎症を終息させる。 
現在起きているアレルギー反応の原因を特定し、特定したアレルゲンから回避すること。
詳しくお話をお伺いして、食事・空間・生活様式の中にあるアレルゲンを洗い出し、一旦そのアレルゲンを除外する必要があります。
現在起きている炎症を徹底的に納めなければ次の治療ステップにいけません。
②アレルギー反応で疲労した新体組織の回復を促し、病気を治癒させるための体力(気)を養う施術。
この段階から、原因で述べたようなあなたの体質・体調によって行う施術が異なります。
例えば、痒さで眠れなければ寝ていただくための治療、痒さでイライラするなら精神的な安定を促す治療、食欲が無く下痢気味なら止瀉し消化器を助ける治療が必要です。
③免疫異常を修正する。ここが完治に向けた根気強い治療です。
あらゆる抗原に対する過剰な免疫反応は、体の防御機能が亢進して暴走している状態です。
つまり、身体の恒常性(ホメオスターシス)の崩れ=東洋医学でいう正気の衰えによる反応なのです。
ですからこの段階では、自律神経の働きを正常にする治療に力を注いでいきます。

きゅうあん鍼灸治療院のアトピー治療は、あなたの状態を的確に把握し、あなたの状態に合わせた治療段階を設けて、あなたが最短で最も効率的に治癒に向かう様うながす施術を最大の特徴としています。
これを実現するには、全身調整が必須となります。失調した自律神経機能を整え、合併したアレルギー症状を治めること。鼻炎があるなら鼻炎にも対処することがアトピー性皮膚炎の早期回復に繋がります。人体最大の臓器である「皮膚への末梢循環(マイクロサーキュレーション)を改善」し、正常な免疫機能を持つ表皮や角質層を産生する『表皮ケラチノサイトの代謝機能を正常化』するお手伝いをします。

ここでは大人の鍼灸治療をベースに紹介しましたが、もちろん当院ではアトピー性皮膚炎の子供も治療しています。
アトピー性皮膚炎に対する根本的な考えは大人も子供も同じです。
しかし、小さな子供に刺す鍼で施術するのはまだ刺激量が多い(刺激量が多い=痛いではありません)ので、基本的に刺す鍼は使用せずに温かいお灸と小児用の刺さない鍼を使用します。
こどものアトピー性皮膚炎鍼灸治療経過