鼻炎
花粉症を代表とするアレルギー性鼻炎は、その名前の通りアレルギー反応のひとつです。
花粉症は、主にスギ・ヒノキ花粉というアレルゲン(抗原という)に対して人体の免疫反応が過剰に働いた結果起きる症状です。
鼻閉・鼻汁・くしゃみ・喉や目の痒みを呈し、その程度には個人差があります。
継続して鼻閉・鼻汁が起きると、しばしば頭痛や頭重感や倦怠感など全身症状に及ぶ場合があります。
鼻炎の原因
近年、アレルギー症状は多岐に渡っており、花粉だけではなくペットの毛、ダニや埃などのハウスダストもその原因とされています。また当院がある福岡県では、中国から風に乗ってやってくる大気汚染物質PM2.5もアレルギー性鼻炎を引き起こす原因になっています。
人の免疫に関わる話ですので、苦手な方はこちらを飛ばして、下のきゅうあんの施術欄へどうぞ(^-^)
この様にアレルゲンが多様化すると、鼻炎を発症している時期も2月〜5月の花粉症シーズンだけでなく、一年中鼻をすすっている人もいる状況です。
アレルギーとは、本来は人体にとって有害でない物質まで排除の対象としてしまい、過剰な免疫反応を示す状態をいいます。
くしゃみ・鼻水や涙が出る現象は、全て有害と認めた花粉を体外に排出する生体防御機能です(滲出性炎ともいいます)。
花粉症で起こるアレルギー反応は、Ⅰ型アレルギーに分類されています。
Ⅰ型アレルギーは、アナフィラキシー型とか即時型ともいいます。
局所性または全身性に強い反応が出て、花粉のような抗原が体内に侵入すると数分以内にアレルギーを発症すると言う早い反応を示します。
例えば、衣替えや布団の出し入れをした数分後に、鼻がムズムズ・鼻水タラリなんていう経験をされた方は結構いると思います。
その様な反応がこの即時型に入ります。
この反応には、免疫細胞の中でリンパ球の関与があります。B細胞・顆粒球という免疫細胞や肥満細胞(マスト細胞)の働きです。
これらの細胞質の中にはヒスタミンという物質が含まれており、B細胞から分化した形質細胞がアレルゲン特異的に作りだしたIgE(免疫グロブリンE)抗体、これが抗原と認めた花粉や他のアレルゲンを感作すると抗原が抗体にくっついてそのまま顆粒球や肥満細胞のFCレセプターという抗体受容部に結合します。
するとたちまち、それらの細胞からヒスタミンやブラジキニンなどの活性物質を放出します。
このヒスタミンなど活性物質の作用で血管透過性亢進、平滑筋の強い収縮を起こします。
これが、Ⅰ型アレルギーの発生機序になります。
つまり、ヒスタミンが放出されると、その近辺の毛細血管は拡張し漿液と言われる血液の液体成分が血管外に滲み出てきます。これらの反応で、鼻粘膜が肥厚し鼻水が過剰に分泌され、痒みやくしゃみが出て、アレルゲンを体外に排出する免疫反応が起きるのです。
この様な反応が体内で起きている時に現れる自覚症状としては、鼻詰まり・鼻水・くしゃみ・目のかゆみ・涙・喉の閉そく感などになります。
少し難しい説明でしたが、要するに体になんら害を及ぼさない物質にまで過剰に反応している状態がアレルギー反応と言うのです。
それが、花粉や黄砂などの大気汚染物質を誘因としていて、鼻炎や目の痒みなどの粘膜症状を呈している状態をアレルギー性鼻炎=花粉症というのです。
きゅうあんの施術
花粉症に限らず、東洋医学の基本は『治未病』です。
また、鍼灸治療は花粉症シーズンが到来する数ヶ月前、だいたい11月までには花粉症対策の鍼灸施術を開始すると効果的です。
やむなく、花粉症シーズン到来後に来院頂いても最大限の対応を致しますので、症状はかなり軽減しています。
過剰なアレルギー反応を起こすということは、外からの刺激に対する許容量が少ない状態だと推察できます。
つまり東洋医学的に言うと、外邪(アレルゲン)の侵襲に対する抵抗力つまり正気の力が低下している状態なのです。
正気とは恒常性つまり人間のホメオスターシスです。
きゅうあんの鍼灸施術では、まずご本人がお持ちのホメオスターシスを最大限発揮する為に、お一人お一人の状態に合わせた全身治療を行い正気の力を養っていただきます。
特に花粉症による鼻炎や目のかゆみを発症してしまった状態は、症状は顔だけでも自律神経の乱れも伴い、より症状が悪化しやすい状態と言えます。
この様な状態の場合、全身への鍼灸施術を行うと交感神経の緊張が緩み、過剰なアレルギー反応が落ち着くことが期待できます。
また、便秘や皮膚炎などもアレルギー反応を過剰に起こす要因と考えられており、これらの所見をお持ちの方には特に全身調整が必須となります。
全身への鍼灸施術で調整を行った後、アレルギー反応を抑えるきゅうあん独自の耳穴療法(じけつりょうほう)を行います。
耳にあるツボに対し、超微細鍼を施しテープで固定し留置します。
この耳つぼ療法は、原則1週間~2週間に一度行います。
11月くらいから治療を開始できた方は、万全の状態で花粉症シーズン到来を迎えて頂くことになります!
やむなくシーズン中のご来院でも、自律神経系の調整と過剰なアレルギー反応を落ち着かせる施術を行いますので、継続的なご来院で症状を軽減できます。
病院やドラッグストアで手に入る抗ヒスタミン薬は、症状を抑えるのことを目的としています。
しかし、それはご本人の力によるものではありませんね。人体の恒常性による回復ではありません。
この様な対処ばかりに終始すると、毎年毎年、抗ヒスタミン薬の服用を余儀なくされます。
その上、今後大気汚染物質の飛散量は減りませんし、花粉の飛散量は毎年増加している中で、症状を隠す対応だけで本当に良いのでしょうか。
また抗ヒスタミン薬は、殆どの場合のどが渇く・眠たくなる等の不快な副反応を伴います。
実際、車の運転や仕事や家事をするのに支障が出ている方もいます。
その点、鍼灸施術は副反応を心配する必要も無く、体質を改善してアレルギー反応を抑えていく施術ですのでお薬を飲むのとは根本的に異なっています。
今年こそと思う方は、是非当院の施術をお試しください。